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ぶろぐ

理転もしたけれど、わたしはげんきです。

Robi vs Sota:唯一にして決定的な違い

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現在の私の興味領域に影響を与えた著名人は数々いらっしゃいますが、その中の一人がロボット・クリエイターの高橋智隆さんです。Robiを初めて見た瞬間に「なんで、これを可愛いと思うのだろう。」と感じたことが、ロボットと人間の関係を考える分野に足を踏み入れるきっかけとなりました。高橋さんが考えるロボット論はとてもおもしろく、おそらくスマホの次のプラットフォームになるであろう「コミュニケーション・ロボット」に関して頻繁に言及されています。

 


IMAGINEゲスト 高橋智隆(ロボットクリエイター)前編 - YouTube


IMAGINE 高橋智隆(ロボットクリエイター) 後編 - YouTube

 

そんな高橋さんが手掛けた「一見似ている二つのロボット」について考えることがあり、今回の投稿になります。この考えを抱いた後に、正に高橋さんがこの点について話をされている記事を見つけました。あぁー、やっぱり思ってたんだ・・・という気分ですが、これも後掲します。

 

Robi vs Sota

Robi:http://deagostini.jp/rbi/

Sota:http://www.vstone.co.jp/products/sota/

 

その「一見似ている二つのロボット」というのが、RobiとSotaです。2013年2月にDeAGOSTINI社から「週刊『ロビ』」として販売が開始され、2014年6月現在では第3版が販売されています。上掲のIMAGINEでは、1万台以上のRobiが完成したと高橋さん自身が言及されています。

 

一方のSotaですが、ヒューマノイド・ロボット研究の権威である石黒浩先生のグループが2015年1月に発表された製品です。こちらも一般向けに販売されているようですが、相棒のCommUも含めて研究用という色彩が強いようです。

 

そして、この両者なのですが、Sotaは高橋さんが監修されたということでかなり全体の作りが似ています。唯一、そして決定的に違うのは「足があるか否か」です。それがなんなのさ・・・という感じですが、コミュニケーション・ロボットの生命線である「そのロボットに愛着を抱くか」という点において、この要素がかなりの影響力をもつと考えています。以下に説明します。

 

足があることで「立つ」「歩く」という概念が生まれます。成人の人間にとってそれは当然の行為です。しかし、赤ちゃんがようやく立ち、そして歩き始める瞬間、この時こそ最高に可愛らしいと思うのではないでしょうか。論文名は忘れてしまいましたが、這行期の乳幼児が立つようになると、親とのコミュニケーションの内容が変わるということに言及しているものもあります。「立つ」「歩く」という行為を目にすることが、その行為者とのコミュニケーションの質に変化を与えるのであれば、これこそコミュニケーション・ロボットの肝となる概念なのではないでしょうか。

 

とするならば、RobiとSotaはコミュニケーション・ロボットとしての能力において、似て非なる存在あるといえます。おそらく、Sotaについては高橋さんはデザイン監修のみで、設計には携わってないのではと思います。卓上型であれば、足を取り払ってどっしり置かれている方が安全面でも優位性があります。しかし、そのように安全性(に加えて、設計の容易さ・コスト)を優先させてしまうと、ロボットとのコミュニケーションを活性化させる重要な要因が失われてしまう可能性があります。このことは、この領域に携わる全ての人間が強く意識すべき事項であると思うのです。

 

<2015年8月30日:追記>

宇宙飛行士の油井亀美也さんが、非常に興味ふかい言及をされています。この記事の話題にも相当関連するものであるため、ここに追記しておきます。

www.huffingtonpost.jp

 

ロボットが足で歩くという行動が、人の心の琴線に触れる

 

www.lifehacker.jp

 

Lifehacker:人のカタチをした小さなロボットが、情報端末のパラダイムを大きく変える/ロボットクリエイター高橋智隆さん

「歩行」はとても魅力ある分野で、研究としても奥深い。では、その最大の価値が何かというと、誰も気付いていないのですが、足でノコノコ歩くことで生き物っぽさが生まれ、そこに命を感じられる、という点なんです。

もちろん、移動手段として考えれば車輪の方が優れています。でも、生命感では、車輪だと8割減、据え置き型だとゼロに近づいてしまいます。

スマートフォンに足を付けるという意味は、人と一緒に歩くために移動するのではなく、ノコノコと歩くことで、生きているということをより人間の感性に訴えかけることができるからです。

例えば、子犬型のペットロボット『AIBO』は、足で歩くことによって「人の感性や心の琴線に触れた生き物」になったわけです。これを合理的に車輪にしてしまったら、当時のあの大ヒットは無かったはずです。逆にゴキブリが車輪で動いていたら、怖さ半減でしょう。

それだけ「足で歩く」という行為が、人間の感性に与える影響は大きいのだと思います。

これまでの工業製品においては、このような人が人や生き物に対して受ける感覚が活用された例は極めて少ないように思います。この本能的な感受性の本質を理解し、その要素をうまく取り入れた製品を実現できれば、これまでのパラダイムが変わるぐらいのインパクトのある製品になると思っています。